「素晴らしき哉、人生」

今やアメリカのクリスマス時期の定番中の定番映画と言ってもいいと思う作品。絶望から希望へクリスマスイブに起こるファンタジー。フランク・キャプラの代表作で劇場公開時は興行的には大失敗に…共同で立ち上げたリバティーン・ピクチャーズの記念すべき第一作目だったが後にもう一作だけ造り会社は倒産。映画の著作権が切れて名画座やテレビで放映され色々な人の目に触れるにつれ評価されるようになる。映画とは観る人に希望を与える物であるとアメリカのほとんどの大学の映画学部ではこの作品を授業に用いて学生の指針としているのは有名な話。

「風と共に去りぬ」

第12回アカデミー作品賞。

アメリカ南北戦争下の南部アメリカ人女性一大大河ドラマ。物語は主人公が南部女性なのでやや南部よりな考え方や黒人容認論が根底にはあるもののそれを差し引いても激しい気象の南部女性スカーレット・オハラの壮大なる半生はThis is Americaなのである。夕日にスカーレットの凛と佇むシーンに流れる音楽がとても印象的であのシーンを観るだけでも価値があるかも。

「ひまわり」

第二次大戦後、夫の出兵の為生き別れになってしまった夫婦のお話。愛した夫を捜しに異国の地へ・・。画面を覆い尽くすひまわり畑の美しさと物悲しさがこの映画のストーリーとリンクしていて圧巻である。駅での列車のシーンはこの映画の象徴的な場面であるが劇中音楽と相まってとてもドラマチックに演出されていてこの場面を観るだけで涙が止まらなくなる。

「シンドラーのリスト」

第66回アカデミー作品賞。

これも第二次大戦中のお話。ナチスドイツによるユダヤホロコーストからドイツ人実業家オスカー・シンドラーが1100人以上ともいわれるポーランド系ユダヤ人を絶滅収容所送りを阻止するためのリストを作りその命を救ったと言う実話を元に映画化

監督はスピルバーグで彼もユダヤ系アメリカ人であり「血に染まった金は貰えない」とこの映画の監督料を受け取らなかったと言う。

「アミスタッド」

1839年スペイン籍の奴隷輸送船で起きた乗っ取り事件「アミスタッド事件」を題材に作られたお話。

スピルバーグがドリームワークスを設立後の同社の第一作目作品である事が非常に意味が有る様に思う。スピルバーグ作品は上で紹介した「シンドラーのリスト」の他にも黒人問題を題材にした「カラーパープル」など娯楽作品以外の作品がオイラにはお気に入りかも知れない。ちなみに「カラーパープル」はウーピー・ゴールドバーグの初出演映画。

「炎のランナー」

第54回アカデミー作品賞

実在の2人のランナーを基に走る事で真の英国人になろうとしたユダヤ人と神への信仰心の為に走るスコットランド人宣教師のパリ五輪での活躍を中心に英国の威厳と排他的な社会での苦悩や葛藤などを盛り込んだ物語。

ウエストサンド沿いの海岸で練習するシーンはその時にかかるBGMと共にこの映画を代表するシーンのひとつで後のロンドンオリンピックなどでも勘当的な演出に引用される。Mrビーンも開会式でパロディーで出てきて炎のランナーのいちシーンをパロってました(笑

「ペーパームーン」

詐欺師の男は女性が死亡した為その娘を伯母の送り届ける事になるのだが・・。大恐慌の時代の疲弊しきった人々や、すり抜ける様に生きて行くしがない詐欺師と少女のロードムービー。詐欺師をライアンオニール

その詐欺師と行動を共にする少女をテータムオニールと実の親子が競演

演技経験が無くこの映画でが初出演のテータムこの撮影時10歳で史上最年少アカデミー助演賞を獲得、多分今も破られていないと思う。

「陽のあたる教室」

バンドマンで作曲家を夢見るグレンホランドは妻と過ごす時間や作曲に費やす時間を増やす為に音楽教師を始める事になる。教師と言う職業を作曲家より下にみていた彼は渋々授業をこなしていたが校長にその事を見透かされ諭されていく中、自身も教師と言う職業に次第に惹かれ音楽に興味を示さない生徒たちに音楽の素晴らしさを通して生徒たちと心を通わせていく。凄く静かに物語は進んで行き最後には皆に惜しまれながら退職の日を迎える。

「アニー」

1933年大恐慌直後のNY、街は仕事も住む場所もない人であふれ皆希望を失っていた。市立孤児院に住む赤毛の少女アニー。いつか本当の両親が迎えに来ると信じてどんな時も夢と希望を忘れない、ある日なかなか迎えに来ない両親を自分から探しに行こうと孤児院を抜け出し野犬のサンディーと出会うもあえなく孤児院に連れ戻され孤児院で大富豪と出会い気に入られ養女にと申し入れられるが本当の両親と暮らしたいと夢観るアニーに・・・。

「マイライフアズアドッグ」

1950年代のスウェーデンの小さな町と小さな村で少年が母や愛犬の死、ばらばらになる家族の寂しさ悲しをその村に住む大人や子供たちとの交流を通して生きる事に対しての前向きな姿勢や生きる楽しさを見つけ出すような物語。

少年がつぶやく言葉がなんかひねてるんだけどやせ我慢してるんかなぁとなんかジーンとくる。ガキ大将のサガとかカエルなど個性的な登場人物も大人びていて?いい感じ。舞台の町や家もいい感じでじっくり見て欲しいがセリフを一語一句しっかり観て欲しい。

「ぜんぶフィデルのせい」

1970年パリ、裕福な生活を送る9歳のアンナにある異変が起きる。ある日フランコ独裁政権に反対する伯父の死でスペインから逃れてきた伯母の家族と同居する事になる。それをきっかけに両親の態度に変化が見えはじめ突然、社会主義を目指す大統領選に沸くチリへと旅立つ。帰国後両親は共産主義者へと変貌してしまっていた、アンナの生活も一変し翻弄されていく終始納得いかないアンナはどう変化していくのか観ていてとても興味深かった。

「この森で天使はバスを降りた」

刑務所を出所してメイン州の小さな町のカフェで給土として人生の再出発を始めるパーシー。カフェの常連客はそんなよそ者のパーシーの過去の秘密に疑いの目を向ける・・。小さな町で精一杯頑張るパーシーに降りかかる様々な出来事を町の人達はどう見ていくのか・・。

話の終わり方が賛否両論されている作品ですが最後の終わり方が少々雑ですがそれを差し引いても十分楽しめると思います。

「レ・ミゼラブル」

同名小説のブロードウェイ作品の映画化作品。

そうジャンバルジャンです。

コゼットです。

「ああ無情」です。

この映画ミュージカル映画には珍しくアテレコ(口パク)では無く演者自らその場で歌唱しています。オーケストラの方が作品に合わせて演奏すると言う騙し無しの作品で臨場感が素晴らしい。ABCの6月暴動のシーンはまさに圧巻、舞台版も素晴らしいがスケール感では映画に軍配が上がります。

「グッドウィルハンティング」

天才的な頭脳の持ち主だが素行が悪く問題ばかり起こしてしまう青年、ウィルと彼の才能に気付いた大学教授が彼を更生させ才能を開花させようとするが皆彼にいいようにあしらわれてしまう、困った教授だ訪ねたのは最愛の妻に先立たれ失意に喘ぐ心理学者ショーン。2人は最初は距離を置いているが次第にお互いの似た境遇を知り打ち解けていく。

主演のマットディモンと共演で親友のベンアフレックの共同脚本。映画サブタイトルが「旅立ち」物語後半その意味の深さに気付かされる。

「ゴッドファーザー」

第45,47回アカデミー作品賞

マフィア映画の決定版。

コルレオーネファミリーの一大マフィア映画。

ファミリーの絆、裏切り、血で血を洗う抗争、日本のやくざ映画なんかと比べてもストーリーそのものは変わらないのかも知れないけれど出てくる俳優全てが個性的で格好いいし兎に角スタイリッシュである。全部で三部作だがこのシリーズは是非とも三作一気観をお勧めする。ソニーが一番好きだったりする(笑

「フレンチコネクション」

第44回アカデミー作品賞

実在のニューヨーク市警察薬物対策課のエドワードイーガンとサルバトーレグロッソがフランスから密輸された麻薬40kgを押収した事件をモデルに作られている。この作品を「ゴッドファーザー」製作中のコッポラ監督が鑑賞してこの先品は自分の作っているマフィア作品に比べ花が有り観ていて飽きないと絶賛したらしい。

この映画の名前をとったカクテルまで存在したりします。

「竜二」

家族の為にヤクザの世界から足を洗う竜二、平和な毎日に満足していた竜二ではあったが・・。

金子正次の初主演で遺作となった映画

金子自身もこの竜二と同じく元渡世人であり劇中、死を予感していたのかその演技には鬼気迫るものがある。竜二のセリフの一つ一つに格好よさと、強さ、寂しさ、弱さを感じる。窓を見つめて言うセリフは切ないな~ラストシーン切ないな~。

許せないのは長淵剛がこの映画をパクリまくってる事、自身のドラマもそうだし「泣いてチンピラ」の歌詞は竜二がやくざから足を洗う時のせりふそのものをまるまるパクってるとしか思えない。


「太陽を盗んだ男」

日本でもこんな映画作ろうと思えば作れるんだと言うお手本みたいな映画。

中学の理科教師がなんと原子爆弾を作っちゃいます、そして国にいろんな要求をするのですが・・。やれ、野球中断を最後まで放送せいだの、ローリングストーンズの武道館日本公演を政府主催で開催しろなどと少々ぶっ飛んでますが原爆を自室で作ってしまうような奴ですからここらへんはご愛敬で。

しかしこれがハリウッドでリメイクされたらおもろい映画になりそうな・。

「恐怖奇形人間」

江戸川乱歩の作品です。

内容については述べないでおきます

乱歩の世界を覗いて見たかったらこの作品は面白いのでは…。

 

「時計仕掛けのオレンジ」

もはや説明不要のキューブリック作品

暴力やSEX等欲望赴くままの自由放任主義と全体管理主義のジレンマとよく論じられるが原作自体は1962年でこの映画作品が1972年であったり台詞のへんてこなロシア造語等から時代背景を垣間見る事が出来るだけで単純に人間の中の非人間性の作品と評する事もあるが後者の意見に賛成する、この作品とヒッチコックの「サイコ」は人間の怖さを改めて感じさせられる。

「ギルバート・グレイプ」

ジョニー・ディプもレオナルド・ディカプリオも若いです。主役はジョニー・デップなんですが弟役のレオナルド・ディカプリオが存在感では完全に食っちゃてる感じですねベッキー役のジュリエット・ルイスも不思議な存在感でとても魅力的で主人公のギルバートとの環境というか置かれている立場の対比も面白い。目の前にこんな魅力的な女の人が現れたら男なら誰でもな所をギルバートならどうなるのか…。

 

「スカー・フェース」

アル・パチーノ主演、デパルマ監督、オリバー・ストーン脚本のギャング映画。

キューバからマイアミにやって来た、

青年トニー・モンタナが闇社会の帝王にまで登り詰めその末に待ち受ける運命を描いた作品。

ラストシーンの銃撃戦がこの映画の見せ場でありクライマックスなんですがそのシーンに至るまでのアルパチーノの鬼気迫る演技は彼が多数出演しているギャング、マフィア映画の中でも一二を争う出来だと思う。

 

「ワンスアポンアタイムインアメリカ」

1984年公開セルジオ・レオーネ監督の遺作であり代表作ではないかと思う。

禁酒時代のユダヤ人ゲットーでの二人のギャングの一大叙事詩。この作品の完成までに制作草案からおよそ10年以上の歳月がかかったと言われていてアメリカ公開時に製作会社が上映時間が長くて観客受けしないのではという理由で上映時間を大幅にカットし公開して酷評を受ける。落胆したレオーネは自身の編集で3時間49分の完全版を公開、その他にもオリジナル版、レオーネ死後の2012年に40分のシーンを追加したレストア版が、さらに22分のシーンを追加したエクステンテッド版が2014年に公開された。正直長いです過去と現在が交差して物語が進むので頭がこんがらがります。意味ありげなシーンも多々有り長い作品ですが何度も見ないと正直理解できないと思う。当時2000万ドル以上をかけてあの時代のまちづくりの再現をしたセットと哀愁漂う音楽アマポーラを聴くだけでも退屈しないので頑張って何度も何度も観てください。

「パンズ・ラビリンズ」

ギレルモ・デル・トロ監督作品。

この監督の作品は独特の世界観と映像美を持ってる作品が多くストーリーもやや難解かも。この作品はいわゆるダークファンタジーに分類される作品なのかな?同じストーリーでもこの監督以外の人がメガホンをとっていれば全然違う物語になってるんだろうと素直に思う。この映像と空気感が一層物語を深いものにしてる感じで改めてギレルモ・デル・トロ監督恐るべしです。

「遊星からの物体X」

1982年版のSFスプラッターホラー作品で1951年に原作の映画を4歳の時に見て映画製作を志すようになり監督9作目でリスペクトする映画のリメイクに取り掛かる。

公開当時想像を超えたクリーチャーや侵略物を創造し原作をさらにショッキングに演出して度胆を抜かれた作品でした。SFホラーの「エイリアン」の目に見える恐怖と違い目に見えない恐怖との戦いにびくびくでした。

この作品と同時上映していたXYZマーダーズも違う意味で気持ち悪く印象にすごく残ってる。

「天国から来たチャンピオン」

1979年公開作品。

まず最初に何故にチャンピオンなのかがわからなかったね(笑

色々調べてみると政策企画段階の設定では主人公はアメフト選手でなくボクシング選手だったらしくその影響らしいが真実は定かではないがタイトルの事はおいといてこの手のファンタジーの先駆けのような作品で笑いも感動もラブストーリーも上手く絡み合ってていい感じです。

「小さな恋のメロディー」

1971年公開作品。

小さい時にテレビのロードショーでよくやっていて外国の学校は日本の学校とここまで違うのかと単純に衝撃を受けましたね。物語自体は少年少女の純愛に加え友情、大人達との抗争、そしてある程度大人になってから解った階級社会というか格差社会も描かれてる本国イギリス、アメリカではあまり評価をされてないみたいだが日本では何故か爆発的人気が出ている作品です。BGMも非常に良くて最後のトロッコのシーンは結構有名なんじゃないかな。

「ウィズ」

1978年公開作品。

「オズの魔法使い」のオール黒人のブロードウエイミュージカルの映画版で俗にいうブラックスプロイテェーション。正直この作品を高く評価する人はよほどのマイケルファンかダイアナ・ロスファンしかいないんじゃないかな?最近すっかり衰退してしまってるブラックスプロイテーション作品を楽しむ事が出来る作品です。マイケルが亡くなりそろそろカルト的作品になりつつもあるのかな。

「十戒」

「アラビアのロレンス」

「ベンハー」

「戦艦ポチョムキン」