「三丁目の夕日」

西岸良平の「三丁目の夕日 夕焼けの詩」の映画化、小学生の時に親がこの原作漫画をよく読んでいて暇な時によく読んでいたので思い入れがかなり強い作品だったので実写版はどうかな~って思ってましたが…。合計3作で完結してるんですが3作を通して鈴木家、茶川家、六ちゃん、周りの人々の成長を軸に高度成長期の日本の様子がノスタルジックに描かれています。漫画では一話ごとがすごく短いのですが上手く繋がれていてて違和感なく見れました。

このシーン子供の時こたつに入りなが漫画見て感動したな~って場面がいくつも出てきて映画のノスタルジックな雰囲気と小さい時の思い出が重なり変な意味でも面白かった。第一作目で六ちゃんが女の子に変わっていたのに違和感があったが他の話しに絡めて三作目でこう持って行ったか~って納得しましたね。

「メトロに乗って」

浅田次郎1994年発表の原作小説の映画化で2006年の作品。

舞台ミュージカル等も公演されている作品ですが映画版では東京メトロ全面協力の関係で原作やミュージカルとは兄の自殺方法は異なるが原作の雰囲気を上手く再現されていて何よりキャスティングが見事なぐらいはまっています。

堤真一、常盤貴子、大沢たかお

そして岡本綾。中でも岡本綾の何とも言えない演技は凄いの一言。

感動的で衝撃的なクライマックスで切なさを感じずにはいられません。Sryuの主題歌が火に油を注ぐように胸に刺さります。

 

「隠し剣鬼の爪」

2004年山田洋次監督作品。

何かと「たそがれ清兵衛」と比較されるこの作品ですが原作者も監督も同じでそれぞれの作品は藤沢周平原作の短編小説を再構築してできた作品なので似ていてもしょうがないのかなと感じてしまうがこちらの作品が個人的には好みに合ったかな、「たそがれ清兵衛」のほうが配役には無理がないが逆に面白みに欠けてしまった感がぬぐえないかな、永瀬正敏の田舎侍感が何ともいい感じに感じた。「たそがれ清兵衛」のそれと違い解り易いラストもすがすがしかった。

「八日目の蝉」

角田光代原作2011年公開作品。

切ないです、只々切ないです。

前半の永作博美の演技力、表現力にはひたすら脱帽です。この映画のヒントと言うか元ネタ的になった事件が(日野OL不倫放火殺人事件)と言われてますがこの時の世の中の報道のされ方、事件の加害者に対するある種擁護的な報道が頭をよぎったがあの事件との決定的な違いは子供も一緒に殺したのではなく誘拐し本当の親子になろうとしたところなんですが、そこがまた切なすぎて泣けてきます

後半の井上真央もいい感じにやさぐれてます。生みの親より育ての親と言いますが育ての親の影響か同じような境遇になってます。虚無感、孤独感どの言葉も当てはまらないような冷めた感じの演技が前半の誘拐犯を本当のお母さんと信じ貧しいながらもつつましく暮らしていた頃との対比が見事でそれに寄り添い付きまとう小池栄子もいい感じでしたね。

毎年夏にバイクで小豆島に行くがロケ地巡りの工程が増えたのは言うまでもないか(笑

「ぐるりのこと」

2008年公開作品。木村多江、リリー・フランキーともに初主演作品。1990年代を舞台に一組の夫婦を軸にぐるり(周り)の人や出来事を様々な問題やなんかも抱えながら過ごす10年の軌跡を描いたなんか温かくなってくる映画です。木村多江さんの幸薄感はこの映画で確立されたっていうくらいはまり役。リリー・フランキーも木村多江さんも自然な演技でとてもいいきっと若い人にはわからないかもしれない夫婦の空気感というか距離感というか決してドラマで見るような理想の夫婦像ではないかもしれないがこの自然な関係が本当の理想かもとさえ思う。

おすぎ曰く「日本映画はまだ死んでいなかった‼」はいいコピーだと思った。

「舟を編む」

2013年公開石井裕也監督作品。

松田龍平、宮崎あおい主演の辞書を作る編集者の長く長く長い辞書の完成までの様々な物語。

松田龍平と宮崎あおいの静かな人間味溢れる魅力が凄く物語を深い物にしてると思う、決して派手な出来事は起きない恋模様も派手さはないしかしその想い、行動を言葉にしてみて辞書で引いてみるととても熱く深い想いの言葉がそこには溢れている。まさに「辞書は言葉の海を渡る船、編集者はその海を編んでいく。」

 

「紙の月」

角田光代原作2014年公開作品。

映画公開前にテレビドラマ化もされており(全5話)そちらの主演は原田知世でこちらの出来もかなり良かったが映画版では宮沢りえが主演を演じる。世のニュースに出てくる女性横領犯の男に金を貢ぐって云う表面的な面より犯罪に知らない間に手を染めていく受動的な感じが段々主人公を追い込んでいく。世に出ている報道、ニュースを少し違う角度から見つめ内面を探ろうとする角田光代の原作らしい映画である。

 

「告白」

2010年公開作品。湊かなえ原作

松たか子の淡々とした口調と騒がしくガヤガヤとした学級崩壊したクラス「愛美はこのクラスの生徒に殺されたんです」と娘の死について告白、彼女の復習がはじまります。真綿の紐で首を絞めるようにジワリジワリと犯人達を追い詰めていきます、きっと昔なら生徒側の気持ちも少しは理解出来たかも知れないが今の自分には何一つ共感できる所がありません。この手の復讐ものはどれだけ復習する側に感情移入できるかがポイントかも知れませんね。

「自虐の詩」

2007年公開作品。業田良家の4コマ漫画が原作でこの原作は日本一泣ける4コマ漫画と評される人情喜劇漫画。舞台は大阪の下町そんな感じの人しか住んでない地区です(笑

選択一つで人生は変わるがどう選んでもいいほうを選んでるようには思わないかそれでいても幸せを感じるよう頑張って生きてる所にジーンとするのかな、俺はブルーカラーサイドなのでホワイトカラーが幸せすぎて幸せを感じられない映画よりこちらのほうに共感してしまう。さすがにここまでではないけどね(笑

「麦子さんと」

「時代屋の女房」

1983年公開作品。夏目雅子の主演作品で一番好きな作品です。

兎に角この作品の夏目雅子さんがチャーミングで魅力的です。当時日本の女優さんのもこんな演技というか魅力がある人がいるんだと感動しました。映画公開時の自分の年齢と比べても明らかに年上の女優さんなんですけど同年代のアイドルとかに無い可愛さや魅力にあふれてて何とも言えない不思議な可愛さと魅力がありましたこの作品は夏目雅子さんの為の作品にしか思わない。美人薄命、まさにその通りであの時のあのままの輝きがこの作品の中で永遠に。

 

「AKIRA」

1988年大友克洋監督作品。

当時公開されたときはかなり衝撃的でしたね、現実にない世界をここまでリアルに映像化するのは凄いなと単純に思ったし今まで見てたアニメが凄く古臭く感じました

主人公の動き方、バイクのデザインや動きどれをとっても格好良かった。大友克洋の登場により「大友以前、大友以後」と言われるくらい登場人物の画風、手法がかなり大きく変わった。この作品はその監督の記念すべき初長編アニメーション映画である。

 

「時をかける少女」

2006年公開の細田守監督作品。

原作は筒井康隆の小説で実写映画やドラマなど多数あるがこの作品はある意味異色で新鮮味を感じる

実写版はどうしても1983年の大林信彦監督作品と比べてしまいどうしても原田知世の和子を超える作品に出逢えなかった。この作品での主人公は真琴といい原作の物語から約二十年後を舞台のお話しで和子はこの作品では真琴の叔母という設定で出てきます。「時をかける少女」が時を経て生まれ変わった瞬間です。

「サマー・ウォーズ」

2009年公開の細田守監督作品。

オリジナル長編としての第一作目前作の「時をかける少女」が画風やキャラクターが良かったので見に行ってみると…。

物語の舞台となっている長野県の城下町の街並みが日本の原風景を思い起こさせるが高度に発展してるネットワーク世界での物語で近未来なインターネット環境を想像させてくれました。ネットやコンピューターの進歩は早く当時アニメで見た光景がもはや現実の世界でも起こりつつあるのが楽しい事か怖い事なのか…。

「おおかみこどもの雨と雪」

2012年公開の細田守監督作品。

オリジナルの長編アニメとしては第二作目になる。

宮崎駿派には悪いがどうやら細田守派閥らしい(笑

物語もそうだが作画全体の画が引きが多くセリフの間や効果音、背景等で見せる手法がこの作品にも多く用いられてて映画館の大きなスクリーンで観ていても疲れないと言うか見映えがいいというかすごく綺麗にみえて物語が凄く頭に入りやすい。ちなみにこの物語はファンタジーな家族の物語。

「バケモノの子」

2015年公開の細田守監督作品。

ここまで来たら観ずにはいられないでしょう(笑

オリジナル長編としては三作目になるこの作品は前作同様家族の絆を描いた作品。「時をかける少女」は時空を跨ぐ世界のお話だがこの物語は異世界を跨ぐ物語になっている。物語の内容もそうだがアニメは声優の演技力?が本当にすごいと思う熊哲の役所広司はハマり過ぎでしょう(笑